2006.07.27
その後、O氏のご先祖様のお墓が、奈良県にもあることを知った私達は、行って見ましょうという事になりました。
しかし、これがめちゃくちゃ分かり難い場所で、数名の方にお聞きしましたが、皆さんおっしゃる事が微妙に違っていて、なかなか辿り着けません。
やっとの思いで探し当て、辿り着きました。
しかし、余り人が訪れている様子が無く、私は何とも言えない気分になりました。
私はO氏のご先祖様を感じてみました。
私の胸に「無念」という文字が浮かび、突き刺さりました。
お墓なのに、お花を挙げる所もお線香を挙げる所も何も無く、O氏と私はその辺にある石を集め、お線香を立てられる様にし、お線香を挙げ、手を合わせました。
O氏はどの様なお気持ちだったのでしょう?
そして、私達はお墓を後に致しました。
時間がもう夕方4時半位になっていましたので、この後はどうしましょうか?と考えていましたが、もう一箇所O氏をお連れしたい場所がありました。
それは、奈良県吉野郡吉野町吉野山にあります金峰山寺(きんぷせんじ)です。
この金峰山寺は、修験道の中心地で金峰山修験本宗の総本山だそうです。
そう距離も無いので、向かってみましょうと車を走らせました。
そして、車を走らせながら、念のため電話で問い合わせてみようと電話を致しますと、いつもは4時半で閉まってしまうらしいのですが、到着時刻が5時頃だったにもかかわらず、有り難く入れて頂きました。
そして、お札も購入させて頂きました。
このお寺も素晴らしいお寺でした。
夕食を済ませ、この夜、私がO氏に絶対に見せたいものがありました。
それは、奈良県の平城京にあります朱雀門でした。
毎晩ライトアップされているのですが、これがまた素晴らしいのです。
私が奈良に帰ると必ず行く場所です。
そのスケールの大きさに驚かされるのと、昔にタイムスリップする感じがするのです。
その時代の人々の、息遣いまでが聞こえてきそうな位、私にはそれがリアルなのです。
それがまた感動を呼びます。
O氏にも気に入って頂けた様で、嬉しく思いました。
この時に、O氏と神社仏閣を廻らせて頂き始めた、昨年11月位のO氏を思い出しました。
そして、今のO氏を見ました。
一番変わったと思ったのは、感受性が爆発的に豊かになられた事ではないでしょうか?
もともと小さい頃は、感受性の豊かな方だったのだと思うのですが、やはり男性という事もあり、感受性を育てる機会が少ないであろう現代社会なので、もともとあったものも退化して行くのだと思うのです。(敢えて感受性を出さないとか、出す必要が無いと言う思い込みは、次第に「出せない」になることもご本人は知らず、挙句の果てには、そんな事すら思ったり考えたりもしなくなるのです。)
O氏はこの神社仏閣巡りを通し、忘れていたものが目覚めて来られたのではないでしょうか。
「素晴らしい。」とおっしゃる深みが全然違うのです。
この朱雀門を見た時も、今までに無いぐらい感動を表現されていました。
そして、まだまだ見て頂きたい所がありました。
それは、奈良市東大寺の裏にあります、二月堂です。
ここの雰囲気がまた最高なのです。
ここから見る、奈良の夜景も素晴らしい。
この日は「奈良って本当に素晴らしい所ですね。」と言いながら、奈良県に生まれた事に感謝し、一日を終えました。